小さい頃からスイミングスクールに通っていたので、泳ぐことは大好きでした。プールで泳ぐのも気持ちよいですが、いつかは海の中を深く潜ってみたいという気持ちを持っていました。深く潜るためには、エアタンクを背中に背負って潜らなければならないことがわかっていたので、ダイビングライセンスを取得したいという夢を持っていました。
しかし仕事が忙しくて講習会に参加できる余裕がなく、海に潜りたいという気持ちを持ちながらも後回しになっていました。そんな時、学生時代の友人から会社を辞めて沖縄に移住したという連絡ハガキが届いたので驚きました。彼女は人一倍、世間体を気にするタイプで、性格もかなり真面目でした。学生時代も優秀な成績をおさめて、誰よりも早く就職先を決めていたので、堅実な人生を歩むのだろうと思っていました。
そんな彼女が、仕事をやめて移住を決断したということで、何があったのかと興味もありましたが、それ以上に心配にもなりました。ただハガキに印刷された彼女の写真は、とても輝いていたので充実した人生を送っているのではないかと思いました。何となく旧友から連絡がきて懐かしさに駆られてしまい、さらに仕事の疲れもピークに達していたので、有給休暇を取得して沖縄へ一人旅をすることにしました。
彼女に連絡をするといつでも歓迎するという返事を貰えたので、初めての一人旅にチャレンジすることにしました。同じ日本のはずなのに、沖縄は太陽が一段と明るくて、海の青色の抜けるような美しさでした。
空港まで彼女が迎えに来てくれていましたが、肌が日焼けして以前よりも健康そうですし、表情も明るかったので安心しました。話を聞いてみると、社会人になってから始めたダイビングにはまってしまい、夢中になったので移住を決めたということでした。普段はダイビングスクールで講師をしながら、それ以外は海に潜って楽しんでいるということだったので、私もダイビングライセンスを取得しようという気持ちになりました。一人で講習に参加しましたが、結構一人参加は多かったですし、インストラクターが丁寧に説明をしてくれるので寂しさや不安は感じませんでした。講習期間は3日間でしたが、予定がしっかり詰まっていたので、短い期間ながら濃厚な時間を過ごすことができました。ダイビングライセンスを取得してからは、友人と一緒にダイビングを楽しみましたが、移住してくる価値が沖縄にはあると納得しました。